美容コラム
【夜勤の睡眠】交代勤務・常夜勤務者の対策
夜勤や交代制で働く人は、全労働者6800万人のうち、8.6%の約585万人。その他、フレックスタイム制や勤務時間が深夜まで及ぶ業種も多くあり、眠りに課題を抱えている方は大変多いことと思います。そこで今回は、夜勤として働く方のための対策をご紹介します。(記:Flura代表ナイトケアアドバイザー小林麻利子)
目次
昼行性の動物であることは変わらない
まず大前提ですが、私たち人間は昼行性の動物です。これは、夜勤をしている方にとっても同じであり、どんなに逆転生活で体内時計を定着させようと思っても、休日や会社の行きかえりで太陽を浴びてしまうため、生体リズムが逆転することはありません。
以下様々な対策はお伝えしますが、無理をせず、できることから試してみてください。
交代勤務者の対策
体内時計ができる限り乱れないよう工夫
①朝もしくは午前中の太陽光はしっかり浴びる
日中に室内に太陽光が入らない病室等で勤務されている方は、夜勤明けに外に一旦出るなどして太陽光を浴びるようにしてください。これにより、体温や血圧、そして尿量やホルモン分泌を整え、眠気を抑えることができます。
②朝食、夕食の食事タイミングは基本的にずらさない
摂食活動にも体内時計の規則性を整える力があるため、お腹がすいたら食べる、ということではなく、少量でも同じ時刻に食べるようにしましょう。脂質やホルモン代謝、消化活動のリズムを強化することができます。
③夜勤中はブルーライトカット眼鏡をかける
深夜にPCを見る機会がある方や、白く明るい照明の下で働く方は、ブルーライトカット眼鏡をかけて、極力光が目に入らないようにしましょう。ただし、それにより夜勤中の事故につながる可能性のある職種の方は、控えてください。
夜勤の休憩中の短時間仮眠
夜勤中の休憩時間についても、シフトが組まれていることが多く、自由に時間を調整することができないケースがありますが、可能であれば、午前3時~4時頃の仮眠には強い眠気を予防することができるので、その時間に仮眠をとりましょう。
時間は20分未満、必ず目覚まし時計を使います。1時間休憩があるのであれば、休憩時間の始めに仮眠を行い、後半は覚醒モードへの切り替えを工夫しましょう。
午前中に睡眠をとることがベスト
夜勤明けの昼間睡眠は午前中にとることが推奨されています。夜勤が朝早く終わればよいものの、仕事内容によっては難しい方も多いと思われますが、生体リズムを大きく乱さないよう、極力午前中に近い時間にお休みしてください。
また、午後2時頃は第二の睡眠期であり、眠気を感じやすい時間帯なので、午前中になかなか寝付けない方はこの時間帯に仮眠をとるようにしてください。
睡眠履歴を記録
就寝した時刻、睡眠時刻、入浴、食事時刻、仮眠時刻、排便時刻などを記録しましょう。自身の睡眠不足度と体のリズムを認識することができます。
このとき、1週間の平均睡眠時間は6時間は超えるように調整してください。9時間以上や5時間未満の場合は、体調不良やヒューマンエラーの危険性が高くなってしまいます。
常夜勤務者の対策
勤務中は昼間に睡眠、休日は夜間に睡眠をとるケースがほとんどだと思いますが、この場合、総睡眠時間が短くなり、心理的ストレスもたまりやすくなります。
対策は、基本的に交代勤務者と変わりませんが、休日に、夜勤の睡眠時間帯に相当する時間に、90分程度の仮眠をとることを推奨しています。そうすることで、総睡眠時間が長くなり、大きなリズムのずれを防ぐことができます。
寝つきをよくするための方法
先月発売した、『美人をつくる熟睡スイッチ』(G.B.)をぜひご覧ください。(Amazonはこちら)寝る前の「うっとり」習慣を行うことで、するすると寝つきは良くなります。
うっとりとは、副交感神経を優位にすること。夜勤明けの睡眠時は、どうしても交感神経が優位になりやすい時間帯です。そのため、いかに副交感神経を優位にするか、ということがとても大切です。
私たち昼行性の動物にとって、昼間の睡眠というのは、どうしても浅く短くなりやすく、夜間に多く出現するはずの成長ホルモンの分泌も、多くは期待できません。そのため、どうしても健康を損ないやすくなるので、深夜勤務者の場合は、半年に1度は健康診断を行うことをお願い致します。
私たちが24時間快適に過ごすことができているのは、寝静まった深夜に仕事をしてくださる方がいるからですね。本当に感謝しています。ご体調崩されないよう、気を付けてくださいね。
参考
※ 「美人をつくる熟睡スイッチ」(GB)2016年11月発売
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