美容コラム

【快眠】睡眠メカニズムから見える「私が睡眠不足な理由」

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5人に1人が睡眠に課題を持つ現代社会。どうにか眠りを深くしたい・・・そうお考えの方は少なくないようですが、課題を克服するにはその正体を詳しく知ることが先決。

睡眠は、食事や運動以上にご自身の生活に大きな影響を及ぼす大きなものでありますが、今まで学校や社会で学ぶ機会がほとんどない分野でありました。しかし、そのメカニズムを知ることで、ご自身の睡眠の質を向上させるきっかけになるかもしれません。そこで今回は、ナイトケアアドバイザー・パーソナルボディトレーナーでもある小林麻利子が、基本的な睡眠メカニズムをご紹介します。(少し難しく感じる方は、色のついた文章のみ読み進めてください。)

 

快眠の定義

そもそも、「快眠」とは何を指すでしょうか? Fluraでは、以下の3つを快眠と定義しています。

①寝入りがスムーズであること。

②寝起きが爽快であること。

③1日やる気に満ち溢れ、はつらつと過ごせること。

眠りが深いこと、そして、翌日の私生活に、心理的肉体的にプラスの変化をもたらす睡眠が「快眠」といえます。これらの3つのうち1つでも課題がある方は、ご自身の「睡眠」を改善する必要があります。

 

睡眠のメカニズム

睡眠とは

睡眠とは、一言で説明することができないほど、複雑な状態です。以下、睡眠活動を示す特徴を箇条書きで記します。

①動物個体の行動の活動水準が低下した状態

②骨格筋が弛緩した状態

③外界からの刺激に対する反応が低下した状態

④エネルギー保存方向の状態

⑤脳内の睡眠中枢の働きで発生し調節されている現象

⑥個体の生理的な必要性により生じた現象

⑦脳の休息により意識水準が低下した状態

⑧容易に覚醒しうる可逆的な生理現象

⑨交感神経活動が低下し、相対的に副交感神経活動が優位になった状態

⑩温熱生理学的な熱放散現象

(日本睡眠改善協議会「睡眠改善学より」)

 

睡眠中の体の変化

睡眠中には、ざっくり分けると以下の体の変化があります。

①身体組織の修復

②脳や体の疲労回復

③ストレスの軽減

④記憶や情報の整理・定着

そのため、翌朝目覚めたとき、前日の肩こりが解消していない、なんだか体が疲れている、気分が悪いといった症状がある方は、きちんと眠れていない可能性が高いです。皆さんはいかがでしょうか?

 

睡眠段階と脳波

脳波

睡眠の深さと共に脳波が変化することをご存知でしょうか? 覚醒中は、β波という約14Hz以上の高周波数ですが、目を閉じて安静にすることでα波という周波数約8-13Hzの脳波が出てきます。眠くなり覚醒水準が低下すると、α波が減衰し、緩徐眼球運動(急速眼球運動とは別)があり、その後、約4-7Hzのθ波が登場。更に覚醒水準が低下すると、2Hz以下で高振幅のδ波が登場し、深い睡眠状態になります。

一度は耳にされたことがある、睡眠段階1~4やノンレム睡眠、レム睡眠という言葉は、こうした脳波や眼球運動などの変化に応じて定められた状態を指します。(他、オトガイ筋の筋電図)

 

睡眠段階

sleepstage

[Rechtschaffen,A. & Kales,A. 1968 A manual of standardized terminology, techniques and scoring system for sleep stages of human subjects. Washington. D.C. : Public Health Service, U.S. Government Printing Office. 清野茂博(訳) 1971.睡眠脳波アトラス 標準用語・手技・判定法 医歯薬出版.一部改変 ]

睡眠段階1から開始し、睡眠段階2~4を経てレム睡眠が出現します。ノンレムとレムは周期的に交代して出現し、1回のノンレムとレムを合わせると90分~100分ほど。これは睡眠周期と呼ばれ、一晩のうちに4~5回出現します。

①ノンレム睡眠:睡眠段階1

α波の出現箇所と消失している箇所が混在(50%未満)し、半覚半睡でうとうとしている状態で、すぐ起きられる状況です。

②ノンレム睡眠:睡眠段階2

紡錘波(糸をつむぐ紡錘の形に似ている脳波)とK複合波(高振幅の波と、それに後続する紡錘波の複合波形)が出現する期間で、睡眠感はあり、規則正しい呼吸を繰り返しています。夢を見ることもあり、筋肉は緊張している状態です。

⇒お昼寝の際は睡眠段階2まで登場させると◎睡眠段階3が登場していまうと、夜の睡眠段階3,4の出現が難しくなり、夜の眠りが浅くなる可能性がありますので、注意が必要です。お昼寝は15時までに20分以内と心得ましょう

③ノンレム睡眠:睡眠段階3

周波数が0.5Hz~2Hz、振幅が75uV以上のδ波が判定区間20%占め、眼球運動はなく、目覚めにくい状況です。筋肉は緊張しています。この睡眠段階3と下記睡眠段階4はδ波(徐波)の出現量によって判定するため、合わせて徐波睡眠といいます。

徐波睡眠は睡眠前半に集中して出現し、その出現率は最初の3時間(第2睡眠周期迄)で一晩のうちの80~90%に達します。寝だめしようと長時間寝たとしても、疲労回復に役立つ睡眠段階3,4が後半に出現しないため、寝だめは意味がないことが分かります。

④ノンレム睡眠:睡眠段階4

上記のδ波が判定区間50%占め、同じく目は動いておらず、目覚めにくい状態です。徐波睡眠が出現している間に、成長ホルモンの分泌が高まります。

⇒熟眠感がなく、日中のひどい睡魔にお困りの方は、もしかしたら睡眠段階3,4が就寝中に出現していない可能性があります。日中体を動かすとノンレムが増えることから疲労回復にはノンレムが必要です。昼間の活動不足が考えられるので、昼間の過ごし方を改善する必要があります。

⑤レム睡眠

入眠から約1時間経過した頃、脳波は睡眠段階1の状態にありますが、骨格筋の緊張が著しく低下して、オトガイ筋の筋電位は一晩のうち最低水準まで低下し、速い眼球運動が散発して認められるようになります。筋肉は弛緩し、急性眼球運動がおこり、金縛りや生々しい夢体験があります。睡眠感はある状況です。

⇒体温が高ければレム睡眠の出現時間が短くなります。悪夢などでお困りの方は、もしかしたら体温が低い可能性がありますね。更に精神的ストレスがある可能性もあるため、とっておきのストレス解消法を見つける工夫をするようにしましょう。

 

今回は少し小難しいお話でしたが、睡眠という課題を解決するには必要な知識となります。次回は、快眠のセルフチェックについてご紹介します。






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