美容コラム

【潜在的睡眠不足】の解消が内分泌機能改善につながることが明らかに

potentialsleepdebt

 

※国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの研究より

 

2016年10月26日の国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの研究で、「『潜在的睡眠不足』の解消が内分泌機能改善につながること」が明らかになりました。

小林checkポイント

1.健康成人には、平均約1時間の自覚していない睡眠不足(潜在的睡眠不足)が存在する。

2.潜在的睡眠不足の解消により、眠気のみならず、糖代謝、細胞代謝、ストレス応答などに関わる内分泌機能の改善が認められた。

3.睡眠時間が延長しても深い睡眠量は同じであることから、浅い睡眠やレム睡眠が代謝やストレス応答機能の維持にとって重要である。(短時間睡眠は問題である)

研究内容

健康な成人男性15名(平均年齢23.4 歳)に、実験室内で9日間にわたり就床時間を12時間に延長して睡眠を充足させる試験。一般的にこのような条件下では、試験開始当初は日頃の睡眠不足の反動で長時間眠るが、日ごとに充足されて睡眠時間は減少。睡眠時間の減少曲線の漸近線を個人の必要睡眠時間とみなした。

また、この必要睡眠時間と、試験に先立って2週間にわたり自宅で測定した習慣的睡眠時間との差を、自覚していない睡眠不足(潜在的睡眠不足)として算出。

結果

試験期間中の睡眠時間の変動曲線から各被験者の必要睡眠時間を個別に算出したところ平均8.41時間と試算。一方、自宅での習慣的睡眠時間はそれより1日当たり平均1時間短い平均7.37時間。

9日間かけた睡眠不足の解消によって、眠気だけでなく生活習慣病やストレスに関わる内分泌機能にも改善がみられた。具体的には、空腹時血糖値が低下し、基礎インシュリン分泌能(HOMA-β)が増大。また、細胞代謝に関わる甲状腺刺激ホルモンや遊離サイロキシン(T4)濃度が上昇し、ストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾール濃度は低下。

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国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの研究より

短時間睡眠法はやはり問題があった

試験中に延長した睡眠の大部分は浅いノンレム睡眠(睡眠段階1+2)およびレム睡眠。逆に、深いノンレム睡眠(徐波睡眠、睡眠段階3+4)は睡眠延長に入る前から終了時まで一貫してほぼ同じ量が保たれていた。

これは睡眠不足時には深い睡眠が最優先で保たれ、浅い睡眠やレム睡眠から削ぎ落とされることを示しています。しかし本研究から、浅い睡眠やレム睡眠もまた代謝やストレス応答機能の維持にとって重要であることが明らかになりました。

休日の寝だめが潜在的睡眠不足を引き起こす

休日の寝だめに相当する「睡眠延長初日の長い睡眠時間と習慣的睡眠時間との差」が潜在的睡眠不足と強く相関していることから、休日の寝だめが潜在的睡眠不足を引き起こすことが分かっています。

例えば、本試験の被験者では睡眠延長初日に自宅よりも3時間ほど長く睡眠。休日に長時間の寝だめを行わないで済む睡眠時間の確保が、潜在的睡眠不足を予防する目標となるでしょう。

 

私たちは、眠気の有無で睡眠不足状態を判断しますが、上記のように自覚症状のない睡眠不足があるということ、そして、その睡眠不足の状態が心身に負担を生じさせている可能性があるということがわかりました。

睡眠不足は、眠気だけでなく、仕事や勉強のパフォーマンス効率の低下、免疫、代謝、記憶など心身共に様々な機能を阻害することが明らかです。睡眠不足状態が普通だと思わず、日ごろから十分な睡眠時間の確保をするようにしましょう。

論文

個人の最適睡眠時間と潜在的睡眠負債の評価(Estimating individual optimal sleep duration and potential sleep debt)

http://www.nature.com/articles/srep35812
http://rdcu.be/lOP2

参考

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)プレスリリース

http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=124






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